PSA高値と言われたら②

実際に検診でPSA高値といわれたら、具体的にどうすればいいかお話します。

まず、泌尿器科を受診することをお勧めします。そして、診察をうけてください。尿検査、超音波検査、直腸診を行い、前立腺の状態を評価します。尿路感染症や前立腺肥大症もPSA値に影響を与えますので、その状態を評価します。検査結果を総合的に判断した上で、ご本人の意向を加味し治療方針を決定します。

診察の結果とるべき方針は以下になります。

① 針生検(直接前立腺の組織を採取する)をおこない、がんがあるか調べる。

② 経過観察 (定期的にPSA、超音波検査をおこなう)

ゆっくりお話しできると思いますので、お気軽にご相談を。

 

PSA高値と言われたら①

PSA(Postate Specific Antifen)は、前立腺特異抗原のことです。前立腺組織で作っているタンパク質です。前立腺がん組織で特別大量に作っているわけではありません。ただ、前立腺がん組織があると、血液中に漏れ出ることが多いようで、血中PSA濃度が高くなります。

現在のところ、血中PSA濃度が4以上であれば、精査を進められることが一般的です。PSA高値の場合、白黒つけるためには前立腺針生検必要です。直腸、あるいは会陰から針を刺し直接前立腺組織を採取します。病院に入院して検査を行うことが多いです。

歴史的に泌尿器科ではPSA4以上の患者に対して、積極的に前立腺生検をすすめてきました。しかし、これは個人的な意見となりますが、PSA4以上の患者にすべからく前立腺生検を進めることには疑問を感じています。静岡がんセンター在職中より、前立腺がんが強く疑われる患者さんには積極的に前立腺生検をおすすめしていましたが、年齢や前立腺の所見によっては経過観察をお勧めすることも多かったです。(その場合、PSAの定期的な経過観察をします。)

当院に来院された方は前立腺、全身状態を評価し、ご本人の意向をふまえた対策法を提示いたします。PSA高値と言われた方はお気軽にご相談ください。

(追記)                                                             PSA検診そのものの効果に対して、現在、医師の間で議論がおこっています。以下に日本国内の代表的な賛成意見、反対意見をのせておきます。ご興味のある方はのぞいてみてください。